「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」は、公開当時から賛否が大きく分かれた作品です。
説明不足、意味不明、置いてけぼり――そうした否定的な評価が多く語られる一方で、
強烈に心に残ったという声も根強く存在します。
今回、いわゆる「月1エヴァ」企画で、
久しぶりに映画館でエヴァQを観る機会を得ました。
結論から言えば、
今だからこそ、エヴァQは非常に完成度の高い作品として再評価できる
そう感じる鑑賞体験でした。
月1エヴァ企画での再鑑賞
現在、劇場版エヴァンゲリオンシリーズを
毎月映画館で上映する「月1エヴァ」企画が行われています。
その流れで、今回は
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を劇場で鑑賞しました。
自宅視聴とは異なり、
大きなスクリーンと重低音に包まれる環境で観るエヴァQは、
作品の印象そのものを大きく変える力を持っていました。
エヴァQは、初めてリアルタイムで観たエヴァ作品
抑止旗にとってエヴァQは、
初めて公開時にリアルタイムで劇場鑑賞したエヴァ作品です。
もともと『ふしぎの海のナディア』が好きで、
同じ監督作品だと知ったことをきっかけに
テレビシリーズ、旧劇場版へと遡って視聴しました。
ただし、最初に旧劇場版を観てしまった影響で、
精神的にはかなり鍛えられた状態で新劇場版を迎えた、
という側面もあります。
ナディア要素への高揚と、CG表現への違和感
BGMとキャストがもたらした興奮
エヴァQで特に印象に残っているのが、
ナディア由来のBGMの使用です。
さらに、大塚明夫さんの登場には強い高揚感を覚えました。
ネモ船長を連想させる存在感は、
往年のファンにとって非常に刺さる演出だったと思います。
期待が大きすぎたがゆえの落差
一方で、当時どうしても気になった点もあります。
それがCG表現ののっぺり感です。
特に、戦艦ヴンダーのデザインや艦隊戦の演出は、
N-ノーチラス号レベルの重厚感を期待していた分、
やや物足りなさを感じました。
BGMが「万能戦艦N-ノーチラス号」のアレンジだったこともあり、
映像面での迫力不足がより強調されてしまった印象です。
それでもエヴァQが強く心に残った理由
「何をしても上手くいかない」感情の描写
それでもなお、エヴァQは
個人的に非常に好きな作品です。
理由の一つは、
何をやっても裏目に出る状況や心情が、あまりにもリアルに描かれている
点にあります。
善意で行動しているはずなのに、
結果として状況が悪化していく――
その感覚は、多くの人が人生のどこかで経験するものではないでしょうか。
『破』で示された願いの延長線
『破』において綾波が語った
「碇君がエヴァに乗らなくていいようにする」という願い。
エヴァQの世界は、
その願いが歪んだ形で実現してしまった世界だと捉えると、
物語の構造が腑に落ちます。
サードインパクトが「コアとなった人物の願いを具現化する現象」だというのは旧劇場版で語られていますので、ニアサードインパクトのコアとなった綾波の願いが叶えられたのだと思えばそんなに違和感はないんじゃないかと思いましたが、個人的な感想に過ぎないかもしれません。
公開当時の評価と、より深まった没入感
公開当時、エヴァQは
「説明不足」「意味不明」といった批判を多く受けていた印象です。
しかし、当時中二病真っ盛りだった抑止旗にとっては、
「世間には理解されなくても俺には理解できてるぞ庵野!!!」という謎の優越感がありました。
結果的に、世間と自分の評価のズレが、
エヴァという作品への没入感を
より深める結果になったと感じています。
余談|ナディアとエヴァをつなぐ共通点
余談になりますが、
ナディアとエヴァには興味深い共通点が数多く存在します。
- マリーとアスカの髪色が同一であること
- ナディア終盤で宇宙に飛散した破片の数と使徒の数
- LCL化現象と、ガーゴイルが潮になる描写
- ガーゴイルと冬月の声優が同一である点
これらを踏まえると、
両作品が世界観的に接続される予定だった可能性を感じさせます。
今回の劇場再鑑賞で評価が大きく変わった点
冒頭の前日譚映像とシームレスな構成
今回の上映では、
本編冒頭に前日譚映像が追加されていました。
ブルーレイ特典映像や広報誌に掲載されていた漫画を再構成した内容で、
そのまま本編へと自然につながる構成になっています。
この導入によって、
物語への没入感と理解度は格段に向上しました。
予告映像の刷新
予告映像も最新版に差し替えられており、
過去に感じていたCG表現への違和感は
ほぼ解消されていました。
改めて感じた、エヴァQという物語の価値
2012年前後の制作背景(ガイナックスとカラーの関係性等)を踏まえると、
シンジが突然、周囲から冷たく突き放される構図は
非常に示唆的です。
それでもエヴァQは、
- 深い喪失感
- 圧倒的な虚無感
- それでも残される、わずかな希望
これらを物語としてきちんと描き切っています。
正直なところ、
メタフィクション的な楽屋オチでラストを迎えたシン・エヴァンゲリオンよりも、
フィクションとしての決着は美しい
と感じる部分すらあります。
まとめ|エヴァQは、今こそ観る価値がある
新劇場版エヴァンゲリオンQは、
公開当時よりも、むしろ今のほうが
冷静に、そして深く味わえる作品だと感じました。
もし未視聴、あるいは評価を保留したままの方がいれば、
ぜひもう一度、劇場で、あるいは腰を据えて
観直してみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた、ラノベ新人賞を受賞するその日まで。
パカラッパカラッ(抑止旗、走り去る)。


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